祇園祭


鉾建て(その1)と鉾の曳き初め
・・・・近代建築を巡る・・・・



【阪急 烏丸駅】⇔四条通⇔近代建築

2014年07月11日 曇り 26,140歩



今年の祇園祭
今年の祇園祭では以下のように色々なトピックスがある


■「後祭(あとまつり)」の復活 昭和41年に交通事情などにより山鉾巡行は17日に集約され、全ての山鉾が一度に巡行するようになり、「後祭」の代わりに24日は「花笠巡行」が行われるようになっていた。 しかし今年から元に戻り「前祭(さきまつり)」と「後祭」の2回に分けて巡行が行われるようになった。

■「大船鉾(おおふねぼこ)」の復活 幕末の騒乱で焼失し“休み鉾”となっていた「大船鉾」が再建(但しまだ未完成とのこと)され、今年から「後祭」で巡行するとのこと。

■「月鉾」の屋根の改修 天保6年(1835年)に、“動く美術館”と呼ばれた「月鉾」の屋根の改修を終え漆黒の屋根が蘇った。(月鉾は前祭りで巡行)

:この「後祭(あとまつり)」はことわざの“あとのまつり”の語源となったと言われる。



鉾建ては昨日の10日から始まり、明日12日に完了し“曳き初め”が行われるとのこと。 今回は屋根の改修を終えた月鉾を中心に鉾建ての様子を撮影。



「月鉾」の鉾建て

横に倒された櫓
四条通に面した月鉾の町会所前には昨日から始まった「櫓」の組立を終え、横に倒された状態となっている。 組立は釘を使わず荒縄を使用した“縄がらみ”で行われる、これは繰返される組立・分解に対応するため、また衝撃の吸収など先人の知恵が活かされている。


真木を全員で持ち上げる。


真木を櫓に差し込み固定する。


カムロ柱で真木と櫓を斜めに接続。


4本のカムロ柱で真木と櫓を固定。


真木全体を含む鉾の骨組み全景


4本の真木とカムロ柱を固定。


赤熊(しゃぐま)
ワラで作られた飾り物で、祭りのあと“おくどさん(竈)”に火除けとして飾られる。



榊(さかき)が真木に取り付けられる
榊は古来より神の宿る木として、多くの神事に使われている。


真木に御札が付けられる。


真木の上部に付けられた小屋根


櫓の引き起こし時にはここが支点となる。


石持ちとウインチ
櫓の東側には少し離れて2本の「石持ち」
を重しにしてウインチがセットされ、鉾の引き起こし時に櫓に取り付けられた2本の角材の先端に繋がれたワイヤーを曳くために使用される。
:櫓の下部に取り付けられ、車軸を取り付けると共に鉾の重心を下げ転倒防止の効果がある。


豪快な鉾の引き起こしの瞬間





引き起こしの全景


無事に鉾建て完了


鉾建ての無事完了を祝い枡酒が皆に振舞われる。


振舞われた枡酒と菓子
見物人などにも振舞われる。



櫓の上に舞台と屋根の組み上げが始まり、町会所の二階から渡り廊下を伝い部材が運び出される。


まもなく完成の舞台と屋根








櫓の下には石持ちと車軸も取り付けられた


舞台と屋根もほぼ完成し、今年改修を終えた漆黒の屋根が蘇る。



「菊水鉾」の鉾建て

室町通





菊水鉾の鉾頭





町内会の人達による「白幣」飾り


菊水鉾の鉾建て時に使用するウインチ



「鶏鉾」の鉾建て

室町通





「鶏 昭和五拾二年四月」








「函谷鉾」の鉾建て

四条通





月鉾を中心にして鉾立の様子を見てきたが、その合間に幾度かに分けて付近の近代建築を巡った。その時の内容は【こちら】
また明日の鉾立を終え“曳き初め”までの様子は【こちら】




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